「和同開珎」造幣所、稼働時期裏付ける木簡出土 山口 |
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发布日期:2012-01-20 阅读:次) |
奈良時代に流通した国内最古級の貨幣「和同開珎(わどうかいちん)」の造幣所の一つ、長門鋳銭(じゅぜん)所跡(国指定史跡、山口県下関市)の隣接地から、造幣所の稼働時期を裏付ける年代が記された木簡が出土した。同市教委の発表によると、木簡が鋳銭遺物とともに見つかるのは全国でも初めてで、文献でしかわからなかった造幣所の場所と稼働時期を裏付ける資料として、専門家は「日本の貨幣史上では画期的」としている。
市教委によると、木簡は全長220.5ミリ、最大幅10ミリで、「天平二年五月四日主□□部車万呂」(□は判読不能)と推定できるという。地表下85~140センチの地層で縦に割れた状態で見つかった。同じ地層には貨幣を造る際に使った鋳型などもあったことから、市教委の担当者は「730(天平2)年時点にこの場所で鋳造されていたと確証づけられる」と話す。
和同開珎を鋳造していた鋳銭司は全国で数カ所あったとされる。「続日本紀」の天平2年3月13日の項に長門鋳銭司に関する記述があることから、遅くともこの時期には稼働していたとみられていたが、詳細な時期や場所はわかっていなかったという。
大阪市立大の栄原永遠男名誉教授(古代流通経済史)は「和同開珎は約50年ほど造られていたが、日本貨幣史の上でも稼働時期を特定できたことは画期的。和同開珎の鋳造の中心的な部分を担っていた長門鋳銭司の全容を解くことは、和同開珎の鋳造を明らかにすることにつながる」と話している。(白井伸洋)
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