2015年10月19日、国際交流基金(The Japan Foundation)は、今年度の国際交流基金賞に王勇・浙江工商大学東亜研究院院長・教授(中国)、作曲家・冨田勲氏(日本)、シビウ国際演劇祭(ルーマニア)の3氏を選出、東京都内で授賞式を開催した。国際交流基金賞は学術文化活動を通じて国際相互理解や友好親善の促進に顕著な貢献があった個人・団体に毎年贈られ、今年度で43回目となる。
王氏は中国における日中文化交流史研究の第一人者で、従来の研究のように中国から日本への一方通行的なものではなく、双方向の交流としてとらえているところに斬新さがある。日中間の文化交流が「シルク」よりも書物を通じた知的交流が特徴だったことから、王氏は「ブックロード」と名付け、中国から日本への本の輸出のみならず、中国で逸失した本が、日本から再輸入されるなど双方向の交流が江戸期に至るまで続いていたことを明らかにした。
王氏は「私の研究を指導してくれた日中の多くの恩師のおかげであり、中国の日本研究をさらに発展させたい」と挨拶した。
冨田氏はシンセサイザーで演奏したレコードを次々に発表、国内外のアーティストや音楽家に多大な影響を与えた。日本の伝統楽器、オーケストラ、シンセサイザーを融合させた「源氏物語幻想交響曲絵巻」などの作品を世界各地で上演したほか、今年5月、宮沢賢治の世界を描いた「イーハトーブ交響曲」にバーチャル・シンガー「初音ミク」を起用し、北京公演を大成功させた。
冨田氏は「音楽は世界の共通言語であり、世界を平和に導く力がある。幼少時代に過ごした北京での「イーハトーブ交響曲」公演は中国の人たちから万雷の拍手をもらいうれしかった」と語った。
シビウ国際演劇祭は1995年から継続的に日本の劇団を招へいし、故中村勘三郎、野田秀樹、野村萬斎らも参加。日本文化の国際化に長年にわたり貢献している。(八牧浩行)
国際交流基金(The Japan Foundation)は、今年度の国際交流基金賞に王勇・浙江工商大学東亜研究院院長・教授(中国)、作曲家・冨田勲氏(日本)、シビウ国際演劇祭(ルーマニア)の3氏を選出、東京都内で授賞式を開催した。写真前列中央が王氏。
http://www.recordchina.co.jp/a121574.html
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